手芸用紙バンドには「同名色違い問題」があります。

これは悩ましい問題です。カラー原紙を発注し、抄造ロット毎に抄いて貰う色紙の色が違うのは、基本アタリマエ・・・・・だからです。

ロット毎の色違いを完全に無くす事は出来ませんが、色のズレを減らす方法は幾つかあります。一番手っ取り早い方法は、発注する紙のロット数量を増やす事です。この方法なら同条件で一度に沢山の紙を抄く事が出来るので、その紙で作られた大量の紙バンドが有る限り、お客さんには同じ色で販売出来る(期間)が長くなります。しかし、沢山の色種類を揃えて商売をする立場からすると、1色あたりの抄造ロットを少なくしたいのが人情だし、経済的です。

でも、お客さんからすると、去年購入した紙バンドと同じ色を注文したハズなのに「?同じ色名なのに?アレレ 色が違う」のはショックですし、返品を受け付けてくれない時は更に落ち込みますよね。「同名色違い問題」の原因は紙の色が違うのが根本理由です。注1 しかしこじれる理由は、お店の対応だと思います。

注1 但し、店頭に長く並べられている手芸用紙バンドの外巻きやフチが蛍光灯などの光によって変色=褪色するのは、原紙の色違いではないです。

発注した紙の色違い程度を調べもせず、そのまま漫然と紙バンドにしているから「色違い問題」が発生するのです。これは紙バンド加工会社や販売者の姿勢です。色違いの根本は製紙会社のせいかも知れませんが、そこは確認すべき重要な所です。ならばどうすれば「同名色違い問題」を少なく出来るか・・・・・

【製紙会社へ】
①製紙会社担当者に色決め作業の管理徹底をお願いする。
②抄造後の抄き見本をすぐに送って貰い確認する。

【紙バンド加工会社と販売店】
③お客さんの混乱を減らす為には、色が著しく違っていたら色名を変えるべき。④多少の色違いでも、前回ロットとの色違いを説明しておく。
⑤お客さんの希望があれば返品・交換に応じる。
(!)ここに挙げた項目はすべて紙バンド販売側のやるべき事だという事です。

以上「同名色違い問題」の根本解決では有りませんが、お客さんのショックは和らげられるはずです。色紙は色管理がとても難しいのです。しかし、夫々が出来る事を、労を厭わず積極的に行う事で、カラーの多彩さが魅力である紙バンド手芸の楽しさを保つことが出来ると信じています。

 

 

兎屋で販売している手芸用のクラフト紙バンドは「くらふと」と「クラフト」の2種類あります。同じようなクラフト紙バンドですが、ひらがなとカタカナに分ける事で、加工地域が違う事を区別をしています。要は加工会社が違うだけですが、兎屋コレクションカラー紙バンドを作るラインで作っているので、紙バンドも出来上がりに違いが出ています。但し、原紙はどちらも静岡県産原紙を使っています。

  「くらふと」紙バンド 「クラフト」紙バンド
使用している原紙 静岡県産原紙 静岡県産原紙
紙バンド加工地域 愛媛県四国中央市 静岡県富士市
紙バンド風合い カチッとした仕上り 柔らかめ

※手芸用「くらふと」紙バンドに愛媛県産クラフト原紙を使用していない理由

愛媛県の製紙会社でもクラフト紙バンド用のクラフト原紙は抄造しています。しかし愛媛県では原料古紙の入手が難しく、古紙に比べて高価なクラフトパルプを使わざるを得ないため、原紙価格が高くなるのです。

愛媛県産の100%パルプのクラフト原紙は、食糧庁(2003年に廃止された役所)によって、工業規格で定められていた強度を求められる米袋用に使われていました。いまでもその名残が一部あり、製袋会社からの希望で以前と同じ規格の紙バンドを作っていて、その場合は100%パルプのクラフト原紙を使用しています。

手芸用ではあまり強度を求められないので、安価な古紙を使ったクラフト原紙で「くらふと」紙バンドを作っているのです。古紙入りクラフト原紙の優劣は、その製紙会社が優良古紙をどれだけ大量に、しかも安定して集められるかに掛かっていて、その仕組みを実現出来ている製紙会社は静岡県の1社だけとなっています。

兎屋では2ブランドの紙バンドを販売しています。その中でも人気の色とりどりのカラー紙バンドは2種類あって、コレクションカラー紙バンドカラー紙バンドという名前でカテゴリー別販売をしています。

その2種類のカラー紙バンドの大きな違いは、使用している原紙加工地域です。この原紙加工地域が、紙バンドの品質に大きな影響と違いを与えています。

一般的なカラー紙バンドと言う意味で販売している、兎屋の「カラー紙バンド」は、紙バンド加工工場が6社ある静岡県 注1 で作られていて、兎屋では懇意にさせて頂いている後発の加工メーカーの紙バンド製品を仕入販売しています。静岡県産の紙バンドは、注2 地域の傾向なのか、ほぼ同じような品質で流通しています。

注1 静岡県の富士市・富士宮市は紙産地という事でしょうが、紙バンド加工工場はほとんど静岡県にあり、しかも富士市に集中しています。静岡県以外で紙バンドを加工している所は、日本では兎屋がお世話になっている、愛媛県四国中央市の1社で、あとはベトナムに2社あるだけです。

注2 手芸用としてベトナム産の紙バンドが流通していますが、使用するカラー原紙は一般的なカラー紙バンドと同じで、ほとんど愛媛県産の色原紙を使用しています。また親会社が静岡県という事もあり、品質傾向は静岡的です。

一方、コレクションカラー紙バンドの方は、兎屋のメイン商品として、2003年から企画・製造(委託)・研究・販売・挑戦を行っている、オリジナルの手芸用カラー紙バンドで、いろいろな変遷 注3 を経ながら、高知県の製紙会社さんと、唯一の愛媛県の紙バンド加工会社さんとの協力の元、高品質紙バンドの実現を果たしながら、引き続き品質の安定・向上に努めています。

注3 兎屋コレクションカラーも、高知県の製紙会社と出会うまでは、愛媛県の製紙会社A社、B社の原紙を使っていましたが、期待する品質に届かず苦労をし、愛媛県原紙の使用を断念した経緯が有ります。因みにA社は廃業してしまいました。

  コレクションカラー紙バンド カラー紙バンド
使用している原紙 高知県産原紙 愛媛県産原紙
紙バンド加工地域 愛媛県四国中央市 静岡県富士市
紙バンドの特徴① ○紙糸の紙密度が高い ○一般的な紙糸
紙バンドの特徴② ○紙バンドにコシがある(硬め) ○一般的?兎コレに比べ柔らか
紙バンドの特徴③ ◎紙バンドの曲りが極めて少ない ▲多少紙バンドに曲りが有る
紙バンドの特徴④ ○割き具合がスムーズ ▲割く時に少しひっかりがある
紙バンドの特徴⑤ ◎割き面の毛羽立ちが少ない ▲割き面に毛羽立ちがある
紙バンドの特徴⑥ ▲値段高め ○値段は市場価格で安め設定
紙バンドの特徴⑦    

【参考ページ】
コレクションカラー紙バンド説明①
コレクションカラー紙バンド説明②
コレクションカラー紙バンド説明③
コレクションカラー紙バンド説明④