新色の態で発売している「らっかせい色」実は3年前の2016年春に既に作っています。その時は実験的に原紙を静岡県へ持って行き、カラー紙バンド(静岡県産紙バンド)のカテゴリーで出しています。そして売り切れと共に止めていた色です。

しかし売り切れ後、再販リクエストを頂く事が多く、今回コレクションカラー(愛媛県産紙バンド)として復活したという事です。で、この「らっかせい色」ですが、実は他の色とは違う性質があります。今回はこの性質について書いて置きます。

【らっかせい色の秘密】
「らっかせい色」の何が違うのか?それはパルプの違いです。手芸用紙バンドは大きく分けて、クラフト紙バンドとカラー紙バンドで、使用しているパルプは夫々違っています。
※兎屋ではショッピングカートの便宜上、カラー紙バンドのカテゴリーを、静岡県産の「カラー紙バンド」と、愛媛県産の「コレクションカラー紙バンド」に分けています。

○クラフト紙バンドには、未晒パルプという茶色のパルプが使われています。再生紙を使っている場合には、未晒パルプや未晒パルプ品の再生古紙を混ぜて使っています。まぁ再生紙や古紙の話をするとややこしいので、ここではクラフト紙バンド=未晒パルプとして置きます。未晒パルプは段ボール用原紙や、米麦袋のような重量物用の包装紙の製造に使われます。
(再生紙使用を謳う場合、100%再生古紙かどうかは製紙メーカーが古紙の混入率を示さない限りわかりません。つまり製紙メーカーの好意的な協力が必須という事です。気になる方は  2015年10月13日のブログ「♯14 サイセイシ 再生紙」をご覧ください。)

○カラー紙バンドには、未晒パルプ晒パルプが使われています。茶色の未晒パルプに対し、薬品で白く晒している晒パルプは印刷用紙やコピー用紙などに広く使用されています。カラー紙バンドの場合、濃い色系→茶色の未晒パルプ、薄い色系→晒パルプを使います。濃い色を出す為に白い晒パルプは不経済ですからね。

さて、兎屋の「らっかせい色」に使っているパルプは、未晒パルプでも晒パルプでもありません、使っているパルプは半晒パルプと言います。これはパルプを晒す段階で晒度合を調整しているパルプです、簡単に言うと「分だけしている」のです。この半晒パルプは、茶封筒などに使われていて、皆さんよくご存知です。その半晒パルプを高知県の製紙会社で紙バンド用原紙の原料として使っています。つまり「らっかせい色」は半晒パルプの色なのです。

その為「らっかせい色」紙バンドには染料が入っていないという事も私的には大きな!特徴で、これはクラフト紙バンドや、白色紙バンドと同じです。クラフトバンド用のクラフト原紙も染料は使っていませんからね。しかしカラー紙バンド用のカラー原紙は着色の為に染料が入っています。染料はカラフルな色出しには必要で、カラーの紙バンドが紙バンド手芸を楽しくしていますが、紙から見ると染料は異物で厄介なモノです。

クラフト紙バンドと「らっかせい色」紙バンドには、異物の染料が入っていません。私はこれらの紙の事を(素直な紙=素の紙)と勝手に呼んでいます。そして、この「らっかせい色」は自然な雰囲気のカゴを編むのが好きな傾向のお客さんに喜ばれている色でもあります。

紙バンド手芸材料としての「紙バンド」をどのように展開して行くか?毎日悩みもだえるのが兎屋の仕事と思っています(笑)もう14年ほぼ毎日この状態です(爆)マジです。

一番大事な事は品質向上と安定ですが、色の充実も図らなければお客さんは楽しくありません。高品質と沢山の色が実現して、やっとお客さんに認められるのでしょう。と言う事で2色増えました!「うすざくら」色と「らっかせい」色です。


兎コレの「さくら」よりも薄い色、だから「うすざくら」なのです。単純です(笑)

うすざくら色が人気なのはわかっていました。しかし、兎屋には一度にアレコレ色を作る力が無いので、少しづつ少しづつ増やして行く方向でやっと作れたのです。秋には季節外れのイメージですが、そこは色の組み合わせでお願いします。春にはバッチリ合う色です。


落花生と言っても品種は様々、と言う事で平均的なピーナッツの色を目指しました。

らっかせい色は兎屋がまだ神奈川県藤沢市で営業していた頃に作った色です。まぁあまり売れる色では無かったのですが、個人的に好きな色なのでした。なぜ好きなのか????このところ毎朝トーストにピーナッツバターを塗っています。因みに、この色、くらふと色に似ていると思われるかも知れませんが、並べて見ると全く違います。

年が明けて連続で新色を2色発売致しました。
名前はもすぐれー とらっかせい です。

もすぐれー:灰みどりを濃くし灰味を加えた色です。暖かい色目の灰みどりに比べ、一転して冷たいイメージの色になっています。色を合わせるのが難しい色だと思っていますので単色で大き目のバックなどを作ると際立つと思っています。しかし配色は試して見ないとわからない事が多く他の色とあわせると想像以上の効果が出るかも知れませんね。良い配色が見つかりましたら兎屋に教えてください。


らっかせい:色選定、色作りから手漉き見本、実機抄造した所までは、ピーナッツ色でした。おいしそうな色でピーナッツクリームそのものだったので、これは!!と思って居た所、紙バンドにしたら色が変わりました。色によっては紙の色がそのまま出たり、紙バンドにすると色目が変わったりで難しいのです。紙を糸にしたり、糊を塗布すると色が変化していくのは仕方ありません。出来た紙バンドは、ピーナッツと言うより落花生の殻の色に近くなったので、名前を「らっかせい」にしました。まぁ意外性も楽しみながら・・・・さて次はどんな色が生まれるかな?

 

注)この記事は2007年1月18日の兎屋ブログからの転載です。2019年5月29の「カラー紙バンド モスグリーン色」記事の参考として転載しています。古い記事の為、今にそぐわない箇所が有る事は御承知ください。