世界的、歴史的に良質な手漉き紙(和紙)の産地だった日本で、欧米式の近代的製紙業が始まったのは明治時代です。いわゆる洋紙時代の始まりで我が国最初の洋紙抄造マシン導入工場は静岡県富士市でした。その後、製紙マシンの周りに「紙業界」というものが生まれ、今日に至っている訳です。

明治~大正~昭和(戦前)と順調に育っていた製紙業を中心とする「紙業界」は残念ながら昭和の戦争で陰りました。具体的に言うと、鉄鋼、造船、航空、薬品など軍需産業系に比べ戦時物資に直接的ではない製紙業には厳しい統制が加えられたのです。そして昭和20年8月を迎えました。

戦後復興期、紙は民需品としての地位を獲得し、国内景気回復の流れに沿う形で、日本の製紙業界=「紙業界」は盛んになったという事です。新聞用紙、段ボール原紙、包装用紙、と言う茶色い紙から、印刷用紙、出版用紙、情報用紙と言う白い紙に広がって行く時代、これらすべてが製紙工場の主要抄造品目で、1980年代頃からはさらに家庭紙という新しい分野が生まれ、今では製紙工場の主力品目になっています。

これは生活環境が向上・変化しているという事ですが、国内需要変化からの要求だけではなく、外国からの影響も大きいです。古いところでは1973年冬に始まったトイレットペーパーの買い占めと言うのも中東産油国の原油値上げが原因でしたし、商社によって外国産新聞用紙や印刷用紙などが大量に輸入され始めたのは1980年代でした。

その後、中国などで製紙業が盛んになってくると、安い紙製品が中国から日本に持ちこまれるようになり、特に家庭紙系の製紙会社などは苦戦しています。
私が以前勤めていた製紙会社は少年漫画雑誌の本文更紙を抄造していましたが、こちらはあまり中国などの影響は受けていません、しかし少年誌の購読部数の激減でやはり苦戦です。良い時代もあれば苦しい時代もあるのです。

そんな中、紙バンドはどうなのか?紙バンドは手芸用、農業用、工業用と作られていますが?強敵中国で紙バンドが生産されているのでしょうか?このことは、2002年に兎屋を始めたころから気になっていました。そしてちょっと調べて見ました。


「あらゆる紙製品が生産されている中国で、紙バンドが生産されないはずはない!」という声もあったのですが、私は「いや、紙バンドだけは無い!」と言い張っていたのです。すると見本が出て来ました・・・・・・?これ?紙バンド?

結局【見本だけ紙バンド】でしたが、中国の人はもう紙バンドの事を知っています。という事は近い将来「中国製紙バンド」が海を渡って日本にやって来る日も近い?明治時代に初めて「洋紙」が来たように・・・・・・・と思っています。