昨日に続きまた新色のご案内です。こちら静岡県産紙バンドで名前は「グレー」

今年5色目の新色です。今年新色おさらい(①スカイブルー ②ライトブルー ③せいじ ④あおみどり、そして今回の⑤グレー)5色の内4色が静岡県産のカラー紙バンドで、兎屋コレクションカラー(以下:兎コレ)は「せいじ」の1色だけです。でも大丈夫、来週には兎コレの新色が2色入荷の予定ですので、今年の新色は合計で7色になります。しかも来週はあの顔料墨流し紙バンドの入荷もあります。ご期待ください。


兎屋で販売するカラー紙バンド(静岡県産)は後発メーカーとして苦しんだ時期が有ったので、あまり常識に囚われない考え方で作っています。その結果が今年表れています。よかった!

さて、この「グレー」ですが、現在販売中の兎コレの「ぎんねず」よりも明るく、以前から欲しかった色目です。グレー系、灰色系は地味色ながらも安定の人気色で、どちらかと言うとより薄い方が好まれる傾向です。
<br/>なので濃い目の「ぎんねず」よりも明るい灰色という事で作りました。とは言うものの・・・・(ココカラが本音)仕上がって見ると、まだ明るさが足らない気もします。今回のロットが終了したら、もう少し明るめで作ろうか?と、これから発売する新色を前に思ったりしています。まぁお客さんの意見も頂かないといけませんね。


すっきりとした「グレー」色の紙バンド、人気の秘密は他の色との相性の良さにあります。

品質ですが、一瞬(これ高知産原紙だったっけ?!)と思ったぐらいハリがあります。使用する晒パルプの影響なのか?「あおみどり」よりも硬めの仕上りです。因みに使用している原紙は愛媛産原紙です。灰色系、グレー系という分け方を広くモノトーン系で見た場合、モノトーン系ってどれぐらいあるの?と兎屋紙バンドの現行販売色をみると、

【モノトーン系の色】
兎屋コレクションカラー → ①しろ ②くろ ③ぎんねず
カラー紙バンド     → ②しろ ②クロ ③グレー  たった6色です。

モノトーン系とはそういう色、あとは灰色の濃い⇔薄いで遊んで見ますかね。因みに兎コレの「くろ」とカラー紙バンドの「クロ」は同じ黒でも色が違います。兎コレの「くろ」の方が深みのある黒色となっています。あれっ?話の最後は「グレー」じゃなくて兎コレ「くろ」の話・・・??(笑)

先週「るり」色販売終了をブログにしました。「るり」には思い入れがあったのでグズグズな気持ちです。兎屋コレクションカラー色はそれぞれ思い入れがあるので販売終了には抵抗が有ります。でも一度に沢山の色を持つのもどうかな?と思うし、ある程度の緊張を保つためにも、色の登場と退場は必要と思っています。今回は色の登場の話です。

あおみどり色紙バンド、出荷準備完了です。

新色は静岡県産のカラー紙バンドで、名前は「あおみどり」名前の通り緑色が青に寄った色です。実を言うとこの色は(メーカーさんの持ち色)で兎屋が指定した色ではありません。

しかし最近の品質向上に伴い、新ロットで作った「あおみどり」も販売して見ませんか?と言われ、兎屋としては消極的な感じの新色発売です。でも意外にこれがいい感じです。色も良いけど、なにより以前に比べて品質が良いのです。


比較:上2巻が「みどり」、下が「あおみどり」です。

今回の「あおみどり」の登場で、カラー紙バンドの緑系が充実しました。カラー紙バンドの緑系は「みどり」「きみどり」「ふかみどり」そして今回の「あおみどり」の4色となっています。????あとどんな色の緑系が必要ですか?

因みに、兎屋がお付き合いしている静岡県の紙バンドメーカーさん?と言うより紙加工の老舗会社さんでは、生産する手芸用紙バンドは兎屋向けに絞って来ているので、(メーカーさんの持ち色)と言っても、結果兎屋のオリジナル色となっています。なので責任重大です。

紙バンドの仕事は紙の仕事と考え、紙バンド=紙製品と捉えて兎屋をやっています。そこには、日本における2大紙産地である愛媛県宇摩地区と静岡県富士地区の両地区と兎屋との因縁があります。

愛媛県宇摩地区とは旧伊予三島市・旧川之江市・旧土居町・旧新宮村を指し、2004年これら2市1町1村が合併し四国中央市となっています。この合併の為「宇摩郡」という由緒ある名前は消滅しました。この地区は降雨量の少ない瀬戸内海気候の為、長年水不足に悩まされて来ましたが、製紙業を中心とした地域経済界の有志達の尽力でダムとトンネルを建設し、工業用水として活用しています。

静岡県富士市地区は富士市と富士宮市を指しています。いわゆる「富士郡」です。こちらも製紙や紙に関わる会社が多いのが特徴で、富士山地下水や富士川工業用水を利用しています。また富士地区は東西大消費地に近く愛媛県紙産地に比べ産業的に活発な時代がありました。その為、中小と言っても製紙マシンは大き目です。

兎屋店主の社会人スタートが愛媛県伊予三島市本社(現:四国中央市)の紙代理店だった関係で、伊予三島市や川之江市との関係が強くなったのです。その後、東京支店時代に知り合った方の導きで、これまた縁もゆかりも無い静岡県富士宮市の製紙会社に転職した影響で、富士地区の方達とのご縁が出来たという事です。いろんな不思議が重なっています。そして、富士市で手芸用紙バンドの事を知り、「いろいろあって」兎屋をやっています。

えらく前置きが長くなりましたが、この愛媛県と静岡県が、実は手芸用紙バンドの紙流通に大きく関係しているのです。

皆さんが使われている手芸用紙バンドは大きく分けて①クラフト紙バンドと、②カラー紙バンドの2つです。この①②と原紙との関係がおもしろいのです。(おもしろいと感じるのは私だけかも知れませんけど)簡単に書くと・・・・・・・

①クラフト紙バンド=原紙:静岡県
②カラー紙バンド=原紙:愛媛県・高知県です。


最近はあまり言わなくなりましたが、以前は紙バンド手芸の事を「・・・紙バンドは100%再生紙で作られ、環境にもやさしいのです・・・」のアノお題目の元は、静岡県産のクラフト紙にあり、その製紙会社ではクラフト紙を抄造する時に上質なクラフト古紙を使っていました。今でもその体制は変わらないと思いますが、いつも原料が100%古紙かどうか、私は分りませんし、そんな事は製紙会社ではあまり重要な事ではなくむしろ日常です。

上質クラフト古紙を集めるのは難事で、景気が悪く、産業構造がどんどん変化している現代は古紙の集まりが低調で、品質は低めになります。因みに兎屋紙バンドの「くらふと/愛媛県産」と「クラフト/静岡県産」はどちらも静岡県のクラフト紙を使用しています。ロットによって色目が変わる理由は原料古紙率と品質のばらつきで、その変動理由もこれで説明が付きます。

一方、カラー原紙は、ごく一部の例外以外を除いて、ほとんど愛媛県四国中央市の製紙会社2社で生産されていて原料は100%パルプです。尚、兎屋のコレクションカラー紙バンドは特別に高知県産の原紙を使っています。

原料に古紙を入れる事も可能ですが、消費地から遠い愛媛県の製紙会社は、良質で均一な古紙が集まりにくく、特に中小製紙会社は、入手や扱いが困難な古紙よりもパルプによる抄紙を選んで来たのです。

パルプ原料で抄かれた紙は古紙原料の紙より価格が高くなりますが、それも含めライバルの静岡県紙産地に対して常に後塵を拝し続けていた事がバネになり、今の四国中央市の紙産地を保っていると私は見ています。残念ながら静岡県富士市ではカラー原紙を抄く会社は2000年ごろに消滅しています。

※2018年半ばから薄い色だけ静岡県のある製紙会社が自社用に抄き始めたと聞いています。

2002年春、兎屋オリジナルカラー紙バンドと仕入れ紙バンドの二本立てスタートは順調で、オリジナルの日本の伝統色を念頭に、うす色に挑戦したりしていました。しかし、2004年秋頃、仕入れていたカラー紙バンドの入手が出来なくなったのです。もちろん同時にお願いしていた兎屋オリジナル紙バンドの加工もやってくれないという事です。

せっかくスタートした「兎屋」を辞めなくてはならないかも?・・・これは困ったなぁ、と天井を見上げて・・・・あれっ?これで自由になれたじゃん!と思ったのでした。この間たったの5秒♪

こうなったら静岡県以外で唯一紙バンド加工をやっているらしい(当時はそれぐらいの情報しか持っていませんでした)愛媛県四国中央市の会社にお願いして見よう。もし紙バンド加工をやめていたら、その時は「兎屋」はストップ。その前にダメもとでお願いしないとね。と言う事で、四国中央市の紙仲間を通じて打診した所、話を聞いてくれる事になり、当時住んでいた神奈川県から愛媛県へ飛んで行ったのです。

元々愛媛県出身の私は、1982年四国中央市の紙代理店に入社(東京支店勤務)していましたので、以前勤めていた会社の仲間がバックアップしてくれたという事です。割と古い体質の紙業界と付き合うのは難しいのですが、まだ海のものとも山のものともわからない「兎屋」を会社を挙げて応援してくれた商事会社のおかげで今も仕事をつづけられています。本当にありがたい事です。

そして、今まで仕入れていた静岡県産の紙バンドの代わりに兎屋オリジナル紙バンドを作ろう!と、オリジナル色でカラー原紙を作ったのが2004年暮れ、2005年3月に12色の兎屋オリジナルの紙バンドを発売したのです。

兎屋ブログにも書いていました。
2005年3月16日「兎屋オリジナルカラー発売」

その後四国中央市の加工会社さんとはいろいろなご縁があった事がわかり、気が付いたら10年以上のお付き合いとなっています。紙や加工の原因で何度もトラブルがありましたが、常に一緒に乗り越えて来ました。そしていつしか兎屋独特の紙バンドが出来ていました。感謝