兎屋創業は2002年5月です。創業は神奈川県藤沢市辻堂でスタートし2006年の夏までいました。当時の出張と言えば「神奈川県⇔愛媛県」で、下の写真はその頃の愛媛県四国中央市です。大王製紙の煙突が市のシンボルとなっています。撮影場所は三島公園でした。

その後、高知県黒潮町に移り(2006年~2013年)、縁あって静岡県富士市へ引っ越し沼津市で兎屋を再スタートし、今に至っています。神奈川県時代も高知県時代も大変思い出深く、紙バンド手芸の素材に関わって来てよかった!と幾度も思ったものです。

先日も四国中央市へ行って来ました。静岡県在住となった今、出張スタイルは「静岡県⇔愛媛県」なのですが、兎屋紙バンドの原紙を供給してくれる高知県も含まれるので「静岡県⇔高知県⇔愛媛県」となっています。

愛媛県出身で紙業界に長くお世話になって来た兎屋としては、高知県原紙と愛媛県加工の四国コンビで作る「兎屋コレクションカラー紙バンド」には特に思い入れがあり、四国中央市を車で走り廻りながら(社会人スタートはこの町やったなぁ・・・・)と思うのです。そして、お客さん達の為に、更なる品質の向上を目指しています。

と、言うのは・・・・・今回出張で寄った紙バンド加工工場の社長さんと常務さんが、いつもの様に当たり前に「今度はこうしましょう」という提案を複数個下さるのです。思えばこの数年、兎屋から品質について注文を付けた記憶が無いのです。つまり自然と言うか、四国中央市での品質向上が年2回の生産毎に自動的に繰り返されている・・・・・・・普通こんな事はありません。ありがたいです。これぞ兎屋紙バンドの故郷のお蔭だと思っています。

兎屋では2ブランドの紙バンドを販売しています。その中でも人気の色とりどりのカラー紙バンドは2種類あって、コレクションカラー紙バンドカラー紙バンドという名前でカテゴリー別販売をしています。

その2種類のカラー紙バンドの大きな違いは、使用している原紙加工地域です。この原紙加工地域が、紙バンドの品質に大きな影響と違いを与えています。

一般的なカラー紙バンドと言う意味で販売している、兎屋の「カラー紙バンド」は、紙バンド加工工場が6社ある静岡県 注1 で作られていて、兎屋では懇意にさせて頂いている後発の加工メーカーの紙バンド製品を仕入販売しています。静岡県産の紙バンドは、注2 地域の傾向なのか、ほぼ同じような品質で流通しています。

注1 静岡県東部は紙産地という事もあり、紙バンド加工工場は静岡県に多く、富士市に集中しています。静岡県外で紙バンドを加工している所は、日本では兎屋がお世話になっている、愛媛県四国中央市の1社で、あとは静岡県の会社が経営する工場がベトナムに2ヶ所あるだけです。

注2 手芸用として一部ベトナム産紙バンドが流通していますが、使用するカラー原紙は一般的なカラー紙バンドと同じで、ほとんど愛媛県産の色原紙を使用しています。また親会社が静岡県という事もあり、品質傾向は静岡的です。

一方、コレクションカラー紙バンドの方は、兎屋のメイン商品として、2003年から企画・製造(委託)・研究・販売・挑戦を行っている、オリジナルの手芸用カラー紙バンドで、いろいろな変遷 注3 を経ながら、高知県の製紙会社さんと、唯一の愛媛県の紙バンド加工会社さんとの協力の元、高品質紙バンドの実現を果たしながら、引き続き品質の安定・向上に努めています。

注3 兎屋コレクションカラーも、高知県の製紙会社と出会うまでは、愛媛県の製紙会社A社、B社の原紙を使っていましたが、期待する品質に届かず苦労をし、愛媛県原紙の使用を断念した経緯が有ります。因みにA社は廃業してしまいました。

  コレクションカラー紙バンド カラー紙バンド
使用している原紙 高知県産原紙 愛媛県産原紙
紙バンド加工地域 愛媛県四国中央市 静岡県富士市
紙バンドの特徴① ○糸の紙密度が高い ○一般的な紙糸
紙バンドの特徴② ○紙バンドにコシがある(硬め) ○一般的?兎コレに比べ柔らか
紙バンドの特徴③ ◎紙バンドの曲りが極めて少ない ▲多少紙バンドに曲りが有る
紙バンドの特徴④ ○割き具合がスムーズ ▲割く時にひっかりがある
紙バンドの特徴⑤ ◎割き面の毛羽立ちが少ない ▲割き面に毛羽立ちがある
紙バンドの特徴⑥ ▲値段高め ○値段は市場価格で安め設定
紙バンドの特徴⑦    

【参考ページ】
コレクションカラー紙バンド説明①
コレクションカラー紙バンド説明②
コレクションカラー紙バンド説明③
コレクションカラー紙バンド説明④

紙バンド=紙製品としたら、方向性が見えて来ました。良い紙を使って、贅沢に作る、これも紙バンド手芸材料の一つの方向性かも、なんだ簡単じゃないか!(一般的な企業論理とは逆です)

まぁここから苦労の連続なんですけどね(笑)という事で、取りあえず紙を贅沢に使う事を考えました。残念ながらその頃はまだ良い紙に出会えていませんでした。

紙を贅沢に使うという事は、紙糸断面の紙密度を上げるという事で、そうすれば自然と紙糸にコシが出ます。また、紙バンドが出来るまでの各工程を観察しながら、常に舵を(贅沢♪=加工に厳しい!=経費的に厳しい!!)方向へ切ってました。すると今度は、その厳しいという選択が祟り、紙が持たなくなりはじめました。これには数年悩みました。兎屋コレクションカラーの品質停滞期です。今でも思い出す場面があります。

出張時、広島県呉市のフェリー桟橋にいる時に電話が掛かって来ました。
加工屋さん「佐野さん!赤ぶどうの加工してるんですが、紙が切れて切れて仕事になりません、どうしましょう」
私「わかりました、赤ぶどうはあきらめます、すぐに中止して他のをお願いします」(あぁ・・・・大損やぁ・・・・)

でも!加工会社さんは紙を無駄にせず、最後まで加工をして下さったのです。その四国中央市の紙加工屋さんは、紙に精通しているし、紙加工にはプライドをもっています。なので、「紙が悪くて加工出来ませんよ!」と過去何回も言われはしましたが、一度として加工をあきらめた事がありません!このような対応は紙業界では少数派です。さすがです。

※ 普通の紙加工屋だったら、加工の事は後回しにして、紙のせいにするのが一般的です。で、苦情を言われた製紙会社は「いつもと同じですよ」と言い、これも一般的です。これが紙業界の古い(今でも)体質ですね。ハァ~~~ で、何も知らないお客さん達が混乱するのです!

さて、出会った頃は「・・・・手芸用の紙バンドは製造したことが無く、手探りの状態でした。・・・」の愛媛県四国中央市の紙加工会社さんですが、探究心と高い技術力、そして社長さんから現場さんまでの一貫した意識の高さで、今の兎屋コレクションカラー紙バンドを支えて下さっています。今では私が何も言わないのに、勝手に?どんどん?チャレンジして、紙バンドの品質を上げ続けています。なので私はもう何年も工場の中に入った事が有りません。それでいいのだと思っています。

要はお客さんが「兎屋コレクションカラー紙バンド」の事をどう思うか?初心者さんやバザーなどで販売される方は、値段が高いコレクションカラーは買いませんが、紙バンド手芸の中~上級者さん達には挑戦したいコレクションカラー紙バンドです。よろしく!

 

 

兎屋を始めた頃は、静岡県産の紙バンドを仕入れて販売していました。しかし1年余りで突然供給を止められました。そこで四国の紙仲間達に声を掛け、四国で紙バンドを作っている会社が有るのかな?と調べているうちに、愛媛県四国中央市の紙加工会社さんにたどり着きました。しかし、その会社さんは、手芸用の紙バンドは製造したことが無く、手探りの状態でした。

兎屋は、紙業界で過ごした時間はまぁまぁありましたが、紙バンド製造については特に詳しいとは言えない時期で、さてどっちに行こうか?と思案していました。その頃は、あまり市場に出回っていない色の紙を、小ロットで抄いて貰う事が頭に浮かんでいただけです。でも色は製紙会社に相談すれば誰でも作る事が出来るので、色で勝負を続ける事が出来ない事はわかっていました。ならばどうするか?紙バンドってなんだろう?

!紙バンドは紙製品じゃないか!なるほどそういう事ね!この思考は兎屋がいつも念頭に置いている(紙バンド=紙製品=紙大事)という事です。これが「兎屋コレクションカラー紙バンド」の基本姿勢です。

 

兎屋で独自ルートのオリジナル紙バンドを企画・製造(委託)し始めた頃は、同じ愛媛県産の紙バンドを2つのカテゴリーに分けていました。一つはコレクションカラー、もう一つはベーシックカラーの2種類でした。

コレクションカラーとベーシックカラーの区別は、発注する原紙ロットの多少で、凝った色のコレクションカラーは販売数量が少ないので、製造ロットがかさむ為、値段設定を高くしていたのです。品質の差はなく、製造経費の差だけでした。

また、当時は原紙も愛媛県産の紙を使っていて、紙の引張強度に欠ける愛媛県産原紙では、紙バンド加工の精度を上げる事が出来ず、苦しんでいました。

しかし、2015年春から、産地の違う静岡県産の紙バンドを取り扱うようになったので、愛媛県産の紙バンドは一つにまとめてコレクションカラー紙バンドと称し、静岡県産のカラー紙バンドと区別する事にしました。

また、懸案だった原紙の強度アップは、高知県産原紙で対応する事で、愛媛県産紙バンドと静岡県産紙バンドを品質面からも説明出来るようになりました。特にこの2年程で兎屋のコレクションカラーの品質は大きくアップしています。

兎屋で扱う手芸用紙バンドは産地別に2種類あり、兎屋メイン商品は断然!「兎屋 コレクションカラー紙バンド/愛媛県産」で、サブ商品として、安価な静岡県産「カラー紙バンド」も扱っています。という事で「兎屋コレクションカラー紙バンド」以外は、全て静岡県産という事です。まずここから説明に入ります。

一部ベトナム産紙バンドも流通していますが、こちらも静岡県の会社が企画製造しているモノで、静岡産と同じ雰囲気です。また、中国産?もあるよと言われるのですけど?私にはよくわからないです。

「兎屋 コレクションカラー紙バンド」は、①兎屋が企画し、②高知県の製紙会社に原紙を発注し、③愛媛県の紙加工会社で紙バンド製品にして貰う・・・・という流れです。そして、数ある手芸用紙バンドの中で、この②と③を実践している紙バンドは、唯一「兎屋 コレクションカラー紙バンド」だけとなっています。

 

なぜ?唯一なのか?・・・・・兎屋創業時は静岡県産紙バンドだけを販売していました。しかし、仕入れて売るだけの”バッタ屋”稼業では先がないと、早々に見切りをつけ、愛媛県の紙加工会社の門を叩いた2003年が「兎屋 コレクションカラー紙バンド」の始まりでした。しかし、手芸用紙バンド製造の経験がない加工屋会社さんは、手芸用紙バンドってなんだろう?求められる品質は?から入って行くしかなく、静岡県産紙バンドの扱いをやめていた兎屋の立場は(ここしかない!)と言う背水の陣でした。今でこそ誇らしげに唯一と言いますけど、当時は唯一頼るべき道だったのです。

愛媛県の紙加工会社さんは、先代社長時代の、昭和40年代に手芸用としてカラフルな紙バンドを販売していたそうです。紙バンドの詳しい話(4)項を参照下さい。

 

2018年も顔料墨流し紙バンドを4パターン作ります。1%のガンスミマニアの方!楽しみにしていて下さい。

さて、この顔料墨流しは、前段のマーブル紙バンドの後を受け、2012年頃から取組み始めた紙バンドです。

試作は2回、思ったよりも良い出来栄えでした。

考え方としてはマーブルと同じく複雑な紙バンドを作りたいという気持ちでしたが、この頃は、こってりした風味を実現したいとの思いも加わっていました。そして、2012年に顔料墨流しの第1号を作り、続く2013年に2パターン作る事で自信を持ちましたが、兎屋の環境変化があった為に正式販売が出来ず、3年のブランクを経て、2016年秋にやっと顔料墨流しの発売にこぎつけました。

顔料墨流し紙バンドの第1特徴は、耐光性のある顔料で染めているという事です。一般のカラー紙は染料によるパルプ着色なので耐光性にバラつきがあり、青や緑・紫系は光による褪色が激しいのが欠点です。(但し、黒色だけは以前から顔料で色付けしています。)


2016年版の顔料墨流し紙バンド4パターン


2017年版顔料墨流し紙バンド4パターン
2016年から正式販売スタートした顔料墨流し紙バンドは、マーブル紙バンドと比較して高価な手芸用紙バンドとなっています。たぶん0.5%の方にしか買って貰えません・・・・と思っています。しかし、今後も紙バンド手芸が日本発の手芸として熟成されて行く為には、あたらしい素材を開発して行かなくてはならないと思っています。

兎屋としては紙バンド=紙製品という基本的な視点がブレないようにしながら、お客さん達がおもしろく思う手芸材料、そして作家さん達に訴えることが出来る?出来そうな?(本音を言うと手練れ・曲者の作家さん達に挑戦するのが楽しいのです)紙バンドをこれからも作って行く積りです。紙バンド手芸を楽しまれていると、きっと(あんな・こんな紙バンドがあればいいなぁ)と思われると思います。その時は、兎屋にお声掛け下さい。マジで取り組むかも知れませんよ!

↓この間、お店に来て下さった方が見せてくれた作品がこれです。材料は、この5月、久しぶりに作った兎屋のマーブル紙バンド(クリーム×紺)です。


マーブル紙バンドで編むと複雑に見えます。


試作のクリーム×紺と薄ざくら×梅

このマーブル紙バンドは10年振りに作った久しぶり製造だったので、今回は大事を見て「試作」段階を踏みながら、インクと紙の相性を確かめていました。なので少量しか作らず一般販売はしませんでしたが、インスタグラムで試作品の情報公開を行い、ご希望の方にはお分けしていたのです。(まだ少しあるので欲しい方は兎屋までご連絡ください)
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マーブル紙バンドは、普通のカラー紙バンドやストライプ紙バンドよりも手の込んだ紙バンドです。2018年現在、紙バンド手芸の歩みに合わせ、紙バンド材料も進化をしていますが、私が紙バンド手芸材料専門ショップ「兎屋」を始めた2002年頃は、単純なカラー紙バンドか、それらの糸を使ったストライプ紙バンドしかありませんでした。なのでもっと複雑な材料が欲しいと思い、作ったのがマーブル紙バンドで、取り組みスタートは2007年で、試作第1号は2008年の正月に出来ました。

まぁ初めてのマーブル紙バンドだったので反省点は多々ありましたが、喜んで下さる方は少ないけれど、少しは居て下さったのです。これはうれしかった!!


マーブル第一号は無難な茶色で作りました。


色がやさしいのがこのシリーズの特徴。

(手が込む)と言うのは=(経費が掛かる)=(値段が高くなる)という事ですが、少ロット生産で対応する事で、当時はなんとかマーブル紙バンドを作っていて、シリーズ的には8タイプのマーブル紙バンドを作りました。しかし、もっと複雑な紙バンドを作りたいと言う欲求が強くなり、顔料墨流し紙バンドへ舵を切ったのが2012年頃、初めて知った(墨流し?)って言う加工に紙を載せる為に、工場の周りをうろついていました(笑)

2018年2色目新色の発売です。名前は「グレージュ」?兎屋らしくないネーミングですし、しかもカタカタ表記です。

兎屋のスタートは2002年の5月で、その頃付き合いのあったデザイナー?見たいな方が「女性のお客さんが多いのなら、色の名前はひらがな表記が良いですよ」みたいな事をおっしゃっていて、そうだなぁ、ひらがなって女性文字だものねぇ・・・・という事で、赤ぶどう、ちょこ、あい、きゃらめる、から始まり、去年のおーるどろーず、まですべて兎屋コレクションカラーはひらがな表記でした、でも今回のグレージュはカタカナです。

実は今回の色は兎屋が考えた色ではなく、リクエストカラーなのです。昨年、兎屋と紙バンド加工会社さんとで何回か工場見学会を行いましたが、その時来られた方が、「こんな色出来ないでしょうか?名前はグレージュです」と言って下さった色見本が有りました。

グレージュ?聞いた事ないなぁ・・・・・・なんでも女性に人気のネイルの世界での人気色だそうです。まぁ人気が有るという事は「グレージュ」もいろいろで、青系だの緑系だのあるようです、なので「グレージュ」って決めつけるは難しいのですが、色はそれぞれの方の頭の中にあると思っているので、あえて「グレージュ」と名前を付けて見ました。

しかし何とも言えない雰囲気の紙バンドになったなぁと私でも不思議に思う色となっています。見本チップご希望の方は兎屋までご連絡ください。(紙バンドご注文時にその旨、連絡事項に書いて頂いてもOK、対応いたします)渋い色ですよ!

兎屋コレクションカラー紙バンドの色の話です。相変わらずこつこつ色を増やしています。時に色を減らす事(ごめんなさい)もありますが、基本的にはある程度まで色数を増やす積りです。2018年春も抄造タイミングに合わせて1色作って見ました。グレージュ色です。

このグレージュ色はある方のリクエストからスタートした色で、色見本を頂いた時から(おっ難しい色だぞ)と言う思いが有りました。でも私も気に入ったので作る方向で色作りを考え始めたのが昨年秋・・・・まぁ兎屋時間なのでゆっくりです。

で年明け、高知の製紙メーカーさんにお願いして手漉きで色合わせ・・・・まぁ色は合わんわな・・・・。

これは製紙メーカーさんのせいではありません。色のせいだと思っています。中間色は人それぞれのイメージ差が大きいので、まず伝えるのが難しいし、再現する方も悩むのです。そして手漉きで作った色見本を見せられても、まず合いません。しかし難しい事はわかっているので、あれこれ注文しづらいし・・・・


という事で、これで良いよと判断し、出来た原紙の色を見て、う~~~~んまぁえぃか。紙バンドにしたらまた化けるだろうと思っていました。そして今日!やっと四国から紙バンドがやって来ました。店に持って来て開けて見たら!!!おっこれは!すぐに浮かんだ感想はと言うと

渋っ!

なんか前の晩からいい感じに色が出ている予感はしていたんですよ。という事で、グレージュ色のご案内です。