10日前に、2019年秋に発売する「顔料墨流し紙バンド」の色の決定記事を書いていましたが、今日は顔料墨流し加工が完了しましたよ!と言う記事です。

色については10日前の3色と別に「くろ」の計4色で、毎年4色は従来通りです。で、今回の写真は、顔料墨流し加工後の原紙です。ここまでは高知県での手配で、今月末には愛媛県へ持ちこみ、来月にはいよいよ顔料墨流し紙バンドの完成となります。仕上りが楽しみです!

2018年も顔料墨流し紙バンドを4パターン作ります。1%のガンスミマニアの方!楽しみにしていて下さい。

さて、この顔料墨流しは、前段のマーブル紙バンドの後を受け、2012年頃から取組み始めた紙バンドです。

試作は2回、思ったよりも良い出来栄えでした。

考え方としてはマーブルと同じく複雑な紙バンドを作りたいという気持ちでしたが、この頃は、こってりした風味を実現したいとの思いも加わっていました。そして、2012年に顔料墨流しの第1号を作り、続く2013年に2パターン作る事で自信を持ちましたが、兎屋の環境変化があった為に正式販売が出来ず、3年のブランクを経て、2016年秋にやっと顔料墨流しの発売にこぎつけました。

顔料墨流し紙バンドの第1特徴は、耐光性のある顔料で染めているという事です。一般のカラー紙は染料によるパルプ着色なので耐光性にバラつきがあり、青や緑・紫系は光による褪色が激しいのが欠点です。(但し、黒色だけは以前から顔料で色付けしています。)


2016年版の顔料墨流し紙バンド4パターン


2017年版顔料墨流し紙バンド4パターン
2016年から正式販売スタートした顔料墨流し紙バンドは、マーブル紙バンドと比較して高価な手芸用紙バンドとなっています。たぶん0.5%の方にしか買って貰えません・・・・と思っています。しかし、今後も紙バンド手芸が日本発の手芸として熟成されて行く為には、あたらしい素材を開発して行かなくてはならないと思っています。

兎屋としては紙バンド=紙製品という基本的な視点がブレないようにしながら、お客さん達がおもしろく思う手芸材料、そして作家さん達に訴えることが出来る?出来そうな?(本音を言うと手練れ・曲者の作家さん達に挑戦するのが楽しいのです)紙バンドをこれからも作って行く積りです。紙バンド手芸を楽しまれていると、きっと(あんな・こんな紙バンドがあればいいなぁ)と思われると思います。その時は、兎屋にお声掛け下さい。マジで取り組むかも知れませんよ!

昨日工場見学に来て下さったEさん姉妹が、顔料墨流し紙バンド(瓶覗き色×山鳩色)で作った名刺入れをおみやげに下さいました。紙バンド手芸の材料ショップを営んでいますが、あまり作品を持ったことは無いので、普段から持ち歩ける名刺入れはありがたい。

瓶覗き色×山鳩色というコッテリとした色目ですが、紙で見た場合と、紙バンド製品の状態、そして石畳編みの作品になった状態、それぞれ色のイメージが違います。

今回別に昨年カラー(クリーム×ピンク)のも頂きました。うれしい事にお土産だけではなく、顔墨の色組み合わせのリクエストと、単色カラーのリクエストも頂いています。いや~いろいろ頂くと張合いが出ます。来春の兎屋コレクションカラー紙バンド製造時に参考にさせて頂こうと思っています。

単色カラー紙バンドの2017年新色は打ち止めですが、まだ顔料墨流し紙バンド(以下:顔墨紙バンド)の発売が残っていました。そしていよいよ発売開始です。極小ロットなのでお見逃しなく・・・・値段は高いですけどね。

2002年春に兎屋を神奈川県藤沢市で始めた時から「不規則連続模様」の紙バンドの事を考えていて、高知県黒潮町に引っ越した頃から試し始めました。高知県時代に実は3回チャレンジをしました。過去にマーブル紙バンドとして発売していたのがそれです。マーブル紙バンドについてはまた取り組む積りですので別の機会に・・・・・


①瓶覗き色×山鳩色 試作時代の1パターン。この色具合が良いという意見が多かったので作りました。


②しろ色×藍色 昨年正式発表後に頂いたご意見の中に「ジーンズイメージ希望」と言うのが有ったのでこの色で作りました。

さて顔墨紙バンドですが、チャレンジ中に高知県で出会いがあり、不規則×連続が出来そうだという事になり、試作を数回行い、親しいお客さんに試作品をお分けしご意見など伺っていました。高知県をはなれ静岡県沼津市で兎屋を始めたのが2015年、その時はお金もなく動けませんでしたが、2016年秋に正式販売を4パターンで行いました。


③コルク色×茶色 今年のチャレンジとして朧テーマで作りました。一見すると色差が無いですが、単色には無い味わいがあります


④淡群青色×若紫色 これも朧紙バンドを目指しました。色焼けのような感じですが顔料なので色焼けは殆どしません。細く割いて編むと不思議な色合いになると・・・・思います・・・

そして2017年めでたく第2回顔墨紙バンド発売にこぎつけたのです。紙の準備からややこしくて、墨流し加工も面倒だし、紙バンド加工も厄介です。そして手間が掛かるという事は、至る所にワナがあるし、値段に影響します。でも同じような紙バンドばかりではつまらないと思う方は絶対にいると思うので、ここは我慢して兎屋が作るしかないと・・・・・・と言うか、これ、実は楽しい仕事なのです。面倒だけどお客さんがビックリしたり喜んで下さったり。紙バンドの仕事をしていて良かったなぁと思う瞬間ですね。

という事で今回も4パターンの顔墨紙バンドを作りました。裏側の話もどっさりあるので時々書いて見ます。まずはご案内まで。それと!値段は高いですが安心して下さい。兎屋は顔墨紙バンドで儲けていませんから・・・・・アレッ?

2002年、神奈川県藤沢市辻堂新町のバス通りで兎屋を始めた頃から漠然と考えていた「不規則模様の紙バンド」まだ紙バンド手芸の事を知らない方が断然多い頃でした。

顔墨製品の数が少ないので、商品売切れ次第見本チップの販売も終了致します。
紙バンド手芸は広まる!と信じて「兎屋」を始めた私としては、10年後紙バンド手芸が深みを見せ始める時に「不規則模様の紙バンド」があればいいなぁと想像していたのです。しかし、原紙から色付け加工、紙バンド加工を順に並べると厄介な事に気が付きます。要は模様付をどうするか?日替わりでワクワク・ガッカリの繰り返しでした。まだ動いてもいないのに・・・・・想像だけで。

クリームとみずいろの積りがみずいろじゃなくなりました。もっとビビッドな鮮やかさを出したかったです。
動き始めたのは2006年兎屋一家が高知県に移住した時からです。本当はあこがれの長野県へ移住したかったのですが、なぜか高知県になりました。私は高知隣県の愛媛県出身者なのですが、高知県の事は殆ど知らず、Iターンとして高知県へ引っ越しました。(その辺りの事は兎屋ブログにたっぷり書いています

引っ越し前、準備の為に何度も高知県へ通う「仁淀川の橋の上」で気が付きました!おぉ高知県も紙の産地やないか!紙の産地としては静岡県・愛媛県が有名ですが、実は高知県も紙産地なのでした。(※私の言う紙産地とは和紙産地ではありません)

クリーム×ピンクの色出しはうまく行きました。ピンクですが落ち着いた感じです。


みどりがうすざくらに影響して、うすざくら感が消えてしまいました。顔料がうまく乗らなかったようですが、これはこれで有りだと思っています。

紙業界に長く身を置いていた私は「必ず高知県の紙産地も歩けるようになるぞ!」と思いながら引っ越したのです。そして2008年、ついに奇跡の製紙会社に出会ったのです。もし製紙業の希薄な長野県に引っ越していたら、今の兎屋は無かったでしょう。高知県に向かった事が大きな出会いを生んだのです。

うすざくらとむらさきの相性がいいので、想定外だけど納得の顔墨紙バンドが出来ました。よしよし・・・・

「顔料墨流し紙バンド」に至る前に、兎屋コレクションカラー紙バンドの品質向上の戦いを何年も行っていましたが、従来使っていた愛媛県産のカラー原紙では無理だと思い始めていた頃だったので、強靭な紙を抄く高知県の奇跡の製紙会社との出会いは、“天佑”でした。これは誇張ではありません。

そして、高知県の原紙+愛媛県の紙バンド加工=兎屋紙バンド、という図式が描けるようになったその上に「顔料墨流し紙バンド」が実現したという事です。今回はまだ第1弾という事ですが、「顔料墨流し紙バンド」についても今後工夫をして行く積りです。どうかご意見など頂けるとありがたいです。

今朝愛媛県から到着しました。他の兎屋紙バンドと一緒に入って来たので、まだ全パターン開けていませんが、取りあえずちょっとだけ写真で公開して置きます。近日中にはちゃんとした記事にしてアップします。


余った紙と一緒に、ちょっとだけお見せします。見た限りですが、加工はバッチリ仕上がっていました。