昨夏、紙バンド手芸愛好家さん達に向けて兎屋がご提供した新商品「極細紙バンド/単色」に続き、予ねて準備中だった「極細紙バンド/カスリ染め」を1/25から発売します。

この商品は、昨年8月に最初に発売した「極細紙バンド/単色」の付加価値商品、つまりバージョンアップです。単色カラーは基本商材として必要だという事で、取りあえず9色作って販売していますし、今後もいくつか色は増やす積りです。

しかし、兎屋としては「単色」よりも「カスリ染め」メインで進んでいました。それは3年前、極細紙バンドを作ろう!の時に、すでに目に入っていたのです。紙加工会社さんの様々な加工サンプル品の中に・・・カスリ的なのがね。

先ずは「単色」!まずは「単色」!と言い聞かせながらも、気持ちはずっと「カスリ染め」でした。極細紙バンドを発売するまで3年も掛かっていたので、必ず「極細紙バンド/カスリ染め」を作って世に出すぞ!という思いは強烈で、同時に極細紙バンドのメインは「カスリ染め」だなぁ~と思うようにもなっていました。

 

極細紙バンドは現物をご覧になると容易に想像が付くと思いますが、加工がとても厄介な代物です。それを加工会社の社長さん以下現場の方達までが一丸となって取り組んで下さっています。でないと出来なかった手芸材料です。

長く紙業界で仕事をさせて貰いながら思う事は、品質の決め手は①使用する原紙の優劣を基本にしながらも、②それを加工する工場の力だと思っています。そして工場の力とは会社そのものだという事です。極細紙バンドを眺めていると、紙加工会社さんで働かれている人達や景色が浮かんで来ます。

さて!この「極細紙バンド/カスリ染め」ですが、カラーは「○くるみ、○オーク、○しらかば」の3色でスタートしました。しかしこれで終わるわけはありません。色とカスリ染の組み合わせは無限です。どうぞご期待下さい。

トピックス記事「ゴクボソ カスリ染め準備中」に加えて兎屋書庫(ブログ)でもご案内です。こちらでは兎屋でアップしているインスタ画像を貼り付けての情報です。

2019年1月下旬か2月上旬に発売準備中の「極細紙バンド」は極細紙バンドの付加価値品として自然風合いの「カスリ染め」を施した極細紙バンドシリーズです。

極細紙バンドは、本来別目的で使われていた加工技術に目をつけ!強靭な高知県産の原紙を使う事で、手芸用にグレードアップしています。技術用途の主流が「カスリ染め」だった事もあり、腕の見せ所になっていて、加工屋さんも張り切っています!

長さは単色で提供していた50m巻ではなく、今回からはお求め易くするために、30m巻での販売を考えていて、別途小巻として10m巻・5m巻もご案内する積りです。どうぞお楽しみに・・・・・

※今後極細紙バンドの長さは30m巻を主流とする積りです。

兎屋では2ブランドの紙バンドを販売しています。その中でも人気の色とりどりのカラー紙バンドは2種類あって、コレクションカラー紙バンドカラー紙バンドという名前でカテゴリー別販売をしています。

その2種類のカラー紙バンドの大きな違いは、使用している原紙加工地域です。この原紙加工地域が、紙バンドの品質に大きな影響と違いを与えています。

一般的なカラー紙バンドと言う意味で販売している、兎屋の「カラー紙バンド」は、紙バンド加工工場が6社ある静岡県 注1 で作られていて、兎屋では懇意にさせて頂いている後発の加工メーカーの紙バンド製品を仕入販売しています。静岡県産の紙バンドは、注2 地域の傾向なのか、ほぼ同じような品質で流通しています。

注1 静岡県の富士市・富士宮市は紙産地という事でしょうが、紙バンド加工工場はほとんど静岡県にあり、しかも富士市に集中しています。静岡県以外で紙バンドを加工している所は、日本では兎屋がお世話になっている、愛媛県四国中央市の1社で、あとはベトナムに2社あるだけです。

注2 手芸用としてベトナム産の紙バンドが流通していますが、使用するカラー原紙は一般的なカラー紙バンドと同じで、ほとんど愛媛県産の色原紙を使用しています。また親会社が静岡県という事もあり、品質傾向は静岡的です。

一方、コレクションカラー紙バンドの方は、兎屋のメイン商品として、2003年から企画・製造(委託)・研究・販売・挑戦を行っている、オリジナルの手芸用カラー紙バンドで、いろいろな変遷 注3 を経ながら、高知県の製紙会社さんと、唯一の愛媛県の紙バンド加工会社さんとの協力の元、高品質紙バンドの実現を果たしながら、引き続き品質の安定・向上に努めています。

注3 兎屋コレクションカラーも、高知県の製紙会社と出会うまでは、愛媛県の製紙会社A社、B社の原紙を使っていましたが、期待する品質に届かず苦労をし、愛媛県原紙の使用を断念した経緯が有ります。因みにA社は廃業してしまいました。

  コレクションカラー紙バンド カラー紙バンド
使用している原紙 高知県産原紙 愛媛県産原紙
紙バンド加工地域 愛媛県四国中央市 静岡県富士市
紙バンドの特徴① ○紙糸の紙密度が高い ○一般的な紙糸
紙バンドの特徴② ○紙バンドにコシがある(硬め) ○一般的?兎コレに比べ柔らか
紙バンドの特徴③ ◎紙バンドの曲りが極めて少ない ▲多少紙バンドに曲りが有る
紙バンドの特徴④ ○割き具合がスムーズ ▲割く時に少しひっかりがある
紙バンドの特徴⑤ ◎割き面の毛羽立ちが少ない ▲割き面に毛羽立ちがある
紙バンドの特徴⑥ ▲値段高め ○値段は市場価格で安め設定
紙バンドの特徴⑦    

【参考ページ】
コレクションカラー紙バンド説明①
コレクションカラー紙バンド説明②
コレクションカラー紙バンド説明③
コレクションカラー紙バンド説明④

紙バンド=紙製品としたら、方向性が見えて来ました。良い紙を使って、贅沢に作る、これも紙バンド手芸材料の一つの方向性かも、なんだ簡単じゃないか!(一般的な企業論理とは逆です)

まぁここから苦労の連続なんですけどね(笑)という事で、取りあえず紙を贅沢に使う事を考えました。残念ながらその頃はまだ良い紙に出会えていませんでした。

紙を贅沢に使うという事は、紙糸断面の紙密度を上げるという事で、そうすれば自然と紙糸にコシが出ます。また、紙バンドが出来るまでの各工程を観察しながら、常に舵を(贅沢♪=加工に厳しい!=経費的に厳しい!!)方向へ切ってました。すると今度は、その厳しいという選択が祟り、紙が持たなくなりはじめました。これには数年悩みました。兎屋コレクションカラーの品質停滞期です。今でも思い出す場面があります。

出張時、広島県呉市のフェリー桟橋にいる時に電話が掛かって来ました。
加工屋さん「佐野さん!赤ぶどうの加工してるんですが、紙が切れて切れて仕事になりません、どうしましょう」
私「わかりました、赤ぶどうはあきらめます、すぐに中止して他のをお願いします」(あぁ・・・・大損やぁ・・・・)

でも!加工会社さんは紙を無駄にせず、最後まで加工をして下さったのです。その四国中央市の紙加工屋さんは、紙に精通しているし、紙加工にはプライドをもっています。なので、「紙が悪くて加工出来ませんよ!」と過去何回も言われはしましたが、一度として加工をあきらめた事がありません!このような対応は紙業界では少数派です。さすがです。

※ 普通の紙加工屋だったら、加工の事は後回しにして、紙のせいにするのが一般的です。で、苦情を言われた製紙会社は「いつもと同じですよ」と言い、これも一般的です。これが紙業界の古い(今でも)体質ですね。ハァ~~~ で、何も知らないお客さん達が混乱するのです!

さて、出会った頃は「・・・・手芸用の紙バンドは製造したことが無く、手探りの状態でした。・・・」の愛媛県四国中央市の紙加工会社さんですが、探究心と高い技術力、そして社長さんから現場さんまでの一貫した意識の高さで、今の兎屋コレクションカラー紙バンドを支えて下さっています。今では私が何も言わないのに、勝手に?どんどん?チャレンジして、紙バンドの品質を上げ続けています。なので私はもう何年も工場の中に入った事が有りません。それでいいのだと思っています。

要はお客さんが「兎屋コレクションカラー紙バンド」の事をどう思うか?初心者さんやバザーなどで販売される方は、値段が高いコレクションカラーは買いませんが、紙バンド手芸の中~上級者さん達には挑戦したいコレクションカラー紙バンドです。よろしく!

 

 

兎屋を始めた頃は、静岡県産の紙バンドを仕入れて販売していました。しかし1年余りで突然供給を止められました。そこで四国の紙仲間達に声を掛け、四国で紙バンドを作っている会社が有るのかな?と調べているうちに、愛媛県四国中央市の紙加工会社さんにたどり着きました。しかし、その会社さんは、手芸用の紙バンドは製造したことが無く、手探りの状態でした。

兎屋は、紙業界で過ごした時間はまぁまぁありましたが、紙バンド製造については特に詳しいとは言えない時期で、さてどっちに行こうか?と思案していました。その頃は、あまり市場に出回っていない色の紙を、小ロットで抄いて貰う事が頭に浮かんでいただけです。でも色は製紙会社に相談すれば誰でも作る事が出来るので、色で勝負を続ける事が出来ない事はわかっていました。ならばどうするか?紙バンドってなんだろう?

!紙バンドは紙製品じゃないか!なるほどそういう事ね!この思考は兎屋がいつも念頭に置いている(紙バンド=紙製品=紙大事)という事です。これが「兎屋コレクションカラー紙バンド」の基本姿勢です。

 

兎屋で独自ルートのオリジナル紙バンドを企画・製造(委託)し始めた頃は、同じ愛媛県産の紙バンドを2つのカテゴリーに分けていました。一つはコレクションカラー、もう一つはベーシックカラーの2種類でした。

コレクションカラーとベーシックカラーの区別は、発注する原紙ロットの多少で、凝った色のコレクションカラーは販売数量が少ないので、製造ロットがかさむ為、値段設定を高くしていたのです。品質の差はなく、製造経費の差だけでした。

また、当時は原紙も愛媛県産の紙を使っていて、紙の引張強度に欠ける愛媛県産原紙では、紙バンド加工の精度を上げる事が出来ず、苦しんでいました。

しかし、2015年春から、産地の違う静岡県産の紙バンドを取り扱うようになったので、愛媛県産の紙バンドは一つにまとめてコレクションカラー紙バンドと称し、静岡県産のカラー紙バンドと区別する事にしました。

また、懸案だった原紙の強度アップは、高知県産原紙で対応する事で、愛媛県産紙バンドと静岡県産紙バンドを品質面からも説明出来るようになりました。特にこの2年程で兎屋のコレクションカラーの品質は大きくアップしています。

兎屋で扱う手芸用紙バンドは産地別に2種類あり、兎屋メイン商品は断然!「兎屋 コレクションカラー紙バンド/愛媛県産」で、サブ商品として、安価な静岡県産「カラー紙バンド」も扱っています。という事で「兎屋コレクションカラー紙バンド」以外は、全て静岡県産という事です。まずここから説明に入ります。

一部ベトナム産紙バンドも流通していますが、こちらも静岡県の会社が企画製造しているモノで、静岡産と同じ雰囲気です。また、中国産?もあるよと言われるのですけど?私にはよくわからないです。

「兎屋 コレクションカラー紙バンド」は、①兎屋が企画し、②高知県の製紙会社に原紙を発注し、③愛媛県の紙加工会社で紙バンド製品にして貰う・・・・という流れです。そして、数ある手芸用紙バンドの中で、この②と③を実践している紙バンドは、唯一「兎屋 コレクションカラー紙バンド」だけとなっています。

 

なぜ?唯一なのか?・・・・・兎屋創業時は静岡県産紙バンドだけを販売していました。しかし、仕入れて売るだけの”バッタ屋”稼業では先がないと、早々に見切りをつけ、愛媛県の紙加工会社の門を叩いた2003年が「兎屋 コレクションカラー紙バンド」の始まりでした。しかし、手芸用紙バンド製造の経験がない加工屋会社さんは、手芸用紙バンドってなんだろう?求められる品質は?から入って行くしかなく、静岡県産紙バンドの扱いをやめていた兎屋の立場は(ここしかない!)と言う背水の陣でした。今でこそ誇らしげに唯一と言いますけど、当時は唯一頼るべき道だったのです。

愛媛県の紙加工会社さんは、先代社長時代の、昭和40年代に手芸用としてカラフルな紙バンドを販売していたそうです。紙バンドの詳しい話(4)項を参照下さい。

 

兎屋のお客さんのたーちゃんさんが、極細紙バンドの扱い方にアイデアを出して下さいました。まったく考えていなかったところだったのでビックリ!たーちゃんさんの許可を頂き、兎屋ブログに記事を転載させて頂きました。軽くて薄い極細紙バンド(ゴクボソ)は普通の紙バンドに比べて扱いが繊細なので、このアイデアは使えますよ。たーちゃんさんありがとうございます!!![ほうっ/]

たーちゃんさんのブログ→
 たーちゃんの*たのしいクラフトバンド*
の  2018年8月26日記事兎屋さん 極細紙バンド 2018-2 から

解くと、細くて薄いのでくるくる丸まるのでちょっと考えてみました。取り出し方の説明は毛糸のように内側から引き出していますが、外側からほどいています。100均のペン立て穴の大きさもちょうどよく、するすると絡まらずに出てきます。【写真、文章ともたーちゃんさんの記事から抜粋】

丸まっていると編みずらいですよね。添付されている説明にも癖を取る方法が載っていますが、アイロン(ウール使用程度)かけでも問題いありませんでした。四つ畳編みなどで腱鞘炎になりやすい私にとってびっくりするほど、編みやすく軽やかなんです。【写真、文章ともたーちゃんさんの記事から抜粋】

ゴクボソ開発中から、極細紙バンドの機能や品質に注力して来たので、どうしてもお客さんちへ届いてからの扱いについては、編む過程までの想像が限度でした。でもたーちゃんさんのような作り手さん達は、兎屋とはちがった視線で商品を見て下さり、さらに扱い方のアイデアを出して下さるので、ハッとするのです。ありがたい事です。

極細紙バンドは、兎屋と紙加工会社さんと、いつも相談に乗って頂いている「ひさままさん」の3者で3年以上取り組んで来た、全く新しい手芸用の紙バンドです。使用する原紙は、いつもの高知県産原紙です。←ここ大事。

思えば、2015年の暮れ? 挨拶を兼ねてお客さんちの遊びに行った時、ひょっと見るとその会社の社長の机の上に、それはありました。それが極細紙バンド(当然ですがまだ名前は無かったです)の試作品でした。

兎屋「おっ?!社長、これなんですか?」
社長「試してみたんですよ」
兎屋「いいじゃないですか!」
社長「なかなかうまく行かなくてねぇ」
兎屋「これ下さいよ。心当たりの方に渡します」
社長「全部いいよ、持って行って」
兎屋「これ手芸に行けますよ!返事します」
で年を越しました。それからいろいろあって・・・・

途中、ダメになりそうな時期もありましたが、去年の夏ごろからみんなの気合が入り始め、やっと完成したのです(万歳)

兎屋は手芸用紙バンドの専門ショップを営んでいますが、”紙バンド”と言うより、”紙製品”を作る!という考え方で取り組んでいます。なので、良い紙製品は、良質で加工に適した原紙探しからという事でスタートし、更に紙を工夫する事で、厳しい紙加工を乗り切る考えです。(極細紙バンドは見ただけで難しい紙加工が施されていると思って頂けると思います。)

その方針から、今回の極細紙バンドは生まれました。見た感じ、アレッ?これ知っているぞ!と思われるかも知れませんが、過去このような紙バンドはありませんでしたし、手芸用でもありませんでした。 ありそうでなかった紙素材が「極細紙バンド」となって商品化されています。どうぞ腕に自信のある手芸作家さん!お試しあれ。

 

2018年も顔料墨流し紙バンドを4パターン作ります。1%のガンスミマニアの方!楽しみにしていて下さい。

さて、この顔料墨流しは、前段のマーブル紙バンドの後を受け、2012年頃から取組み始めた紙バンドです。

試作は2回、思ったよりも良い出来栄えでした。

考え方としてはマーブルと同じく複雑な紙バンドを作りたいという気持ちでしたが、この頃は、こってりした風味を実現したいとの思いも加わっていました。そして、2012年に顔料墨流しの第1号を作り、続く2013年に2パターン作る事で自信を持ちましたが、兎屋の環境変化があった為に正式販売が出来ず、3年のブランクを経て、2016年秋にやっと顔料墨流しの発売にこぎつけました。

顔料墨流し紙バンドの第1特徴は、耐光性のある顔料で染めているという事です。一般のカラー紙は染料によるパルプ着色なので耐光性にバラつきがあり、青や緑・紫系は光による褪色が激しいのが欠点です。(但し、黒色だけは以前から顔料で色付けしています。)


2016年版の顔料墨流し紙バンド4パターン


2017年版顔料墨流し紙バンド4パターン
2016年から正式販売スタートした顔料墨流し紙バンドは、マーブル紙バンドと比較して高価な手芸用紙バンドとなっています。たぶん0.5%の方にしか買って貰えません・・・・と思っています。しかし、今後も紙バンド手芸が日本発の手芸として熟成されて行く為には、あたらしい素材を開発して行かなくてはならないと思っています。

兎屋としては紙バンド=紙製品という基本的な視点がブレないようにしながら、お客さん達がおもしろく思う手芸材料、そして作家さん達に訴えることが出来る?出来そうな?(本音を言うと手練れ・曲者の作家さん達に挑戦するのが楽しいのです)紙バンドをこれからも作って行く積りです。紙バンド手芸を楽しまれていると、きっと(あんな・こんな紙バンドがあればいいなぁ)と思われると思います。その時は、兎屋にお声掛け下さい。マジで取り組むかも知れませんよ!