10日前に、2019年秋に発売する「顔料墨流し紙バンド」の色の決定記事を書いていましたが、今日は顔料墨流し加工が完了しましたよ!と言う記事です。

色については10日前の3色と別に「くろ」の計4色で、毎年4色は従来通りです。で、今回の写真は、顔料墨流し加工後の原紙です。ここまでは高知県での手配で、今月末には愛媛県へ持ちこみ、来月にはいよいよ顔料墨流し紙バンドの完成となります。仕上りが楽しみです!

兎屋創業は2002年5月です。創業は神奈川県藤沢市辻堂で、2006年の夏までいました。当時の出張と言えば「神奈川県⇔愛媛県」で、下の写真はその頃の愛媛県四国中央市です。大王製紙の煙突が市のシンボルとなっています。撮影場所は三島公園でした。

その後、高知県黒潮町に移り(2006年~2013年)、縁あって静岡県富士市へ引っ越し沼津市で兎屋を再スタートし、今に至っています。神奈川県時代も高知県時代も大変思い出深く、紙バンド手芸の素材に関わって来てよかった!と幾度も思ったものです。

先日も四国中央市へ行って来ました。静岡県在住となった今、出張スタイルは「静岡県⇔愛媛県」なのですが、兎屋紙バンドの原紙を供給してくれる高知県も含まれるので「静岡県⇔高知県⇔愛媛県」となっています。

愛媛県出身で紙業界に長くお世話になって来た兎屋としては、高知県原紙と愛媛県加工の四国コンビで作る「兎屋コレクションカラー紙バンド」には特に思い入れがあり、四国中央市を車で走り廻りながら(社会人スタートはこの町やったなぁ・・・・)と思うのです。そして、お客さん達の為に、更なる品質の向上を目指しています。

と、言うのは・・・・・今回出張で寄った紙バンド加工工場の社長さんと常務さんが、いつもの様に当たり前に「今度はこうしましょう」という提案を複数個下さるのです。思えばこの数年、兎屋から品質について注文を付けた記憶が無いのです。つまり自然と言うか、四国中央市での品質向上が年2回の生産毎に自動的に繰り返されている・・・・・・・普通こんな事はありません。ありがたいです。これぞ兎屋紙バンドの故郷のお蔭だと思っています。

私が紙バンドの事を話す時は今は昔で始まる勢いです。これは長く紙の仕事に関わって来た誇りです。そして今では日本生まれの紙製梱包材料が、カラフルな手芸用品としてどんどん広まっているのですから。

平成のひとつ前、昭和27~28年頃に梱包材料として発明されたクラフト紙バンドが、平成12~13年頃に手芸用途として考えられる様になると、カラー原紙を使ったカラー紙バンドが出現しました。

しかしその頃に見た紙バンドは単純な基本色しかありませんでした。その後の手芸用紙バンドの歩みは多岐に渡り、兎屋の場合は大体下記の通りです。

  1. カラー紙バンド(クラフト紙バンド以外にカラフルなカラー紙バンドが出現)
  2. カラー紙バンド(中間色のカラー紙バンドは今でも増え続けています)
  3. コレクションカラー紙バンド(原紙にこだわり加工精度を上げた兎屋の高品質紙バンド)
  4. ストライプ紙バンド(違う色の糸を12本並べる事でストライプ模様が出来ました)
  5. マーブル紙バンド(あらかじめ紙に特殊印刷を施し模様を付ける方法です)
  6. 強力カラー紙バンド(工業用クラフト紙バンドの規格に準じた太糸のカラー紙バンド)
  7. エルくらふと(あま撚りの太糸を使った自然風合いの紙バンド、今は廃番です)
  8. 顔料墨流し紙バンド(顔料染めで色落ちしない手芸用紙バンド)
  9. 軽量カラー紙バンド(柔かく手に優しいカラー紙バンド:試作品配布済です)
  10. 極細紙バンド(極細紙バンドは従来の紙バンドとは全く違う発想です)
  11. ゴクボソ/カスリ染め(色紙とカスリ染めの組み合わせで味わい深い紙バンドになりました)
  12. 高付加価値極細紙バンド(極細紙バンドは進化を続けます。お楽しみに)
  13. 高付加価値コレクションカラー紙バンド(付加価値品のコレクションカラー紙バンドです)

極細紙バンド/カスリ染めのテーマは『糸まで染める紙バンド』です。糸を染める事できれいな色や深みのある色、自然モチーフのアース模様を自由に表現出来ます。極細紙バンド加工はとても難しく、一般な紙バンド製造に使用するカラー原紙では困難です。

兎屋が昨年夏から集中しているのは「極細紙バンド」です。2018年8月20日(月)から発売開始をし、第1回目ロットとして、単色の極細紙バンドを9色出しました。

しかし、製品に不安定箇所を発見したので、第1回目ロットは、先補填の意味も含め、お客さんのご注文分の2倍の個数をお届けする事にしていました。おかげさまで、第1回目ロットの9色は、あと4色を残すのみとなっています。

また、先月からスタートした、極細紙バンドの付加価値品のカスリ染めタイプは、メーカーさんの対応努力と加工現場の習熟度合いが上がり、安定品質になりました。また、巻の基本長さ(m)も50m→30mとする事で、お求め易くすると共に、10m巻、5m巻も作る事にしました。

さて、①単色→②カスリ染めと来ている極細紙バンドですが、3月下旬から4月に掛けて、単色4色・カスリ染め8色を増やします。兎屋には珍しく一気に増色です。そして、「次」に控えるのは、キャンペーンでご案内している③ストライプ極細紙バンドであり、④パール極細紙バンドです。

一度に出すのは兎屋にとっては大変なので、少しづつ増やして行きますが、どうぞ楽しみにしていて下さい!

昨夏、紙バンド手芸愛好家さん達に向けて兎屋がご提供した新商品「極細紙バンド/単色」に続き、予ねて準備中だった「極細紙バンド/カスリ染め」を1/25から発売します。

この商品は、昨年8月に最初に発売した「極細紙バンド/単色」の付加価値商品、つまりバージョンアップです。単色カラーは基本商材として必要だという事で、取りあえず9色作って販売していますし、今後もいくつか色は増やす積りです。

しかし、兎屋としては「単色」よりも「カスリ染め」メインで進んでいました。それは3年前、極細紙バンドを作ろう!の時に、すでに目に入っていたのです。紙加工会社さんの様々な加工サンプル品の中に・・・カスリ的なのがね。

先ずは「単色」!まずは「単色」!と言い聞かせながらも、気持ちはずっと「カスリ染め」でした。極細紙バンドを発売するまで3年も掛かっていたので、必ず「極細紙バンド/カスリ染め」を作って世に出すぞ!という思いは強烈で、同時に極細紙バンドのメインは「カスリ染め」だなぁ~と思うようにもなっていました。

 

極細紙バンドは現物をご覧になると容易に想像が付くと思いますが、加工がとても厄介な代物です。それを加工会社の社長さん以下現場の方達までが一丸となって取り組んで下さっています。でないと出来なかった手芸材料です。

長く紙業界で仕事をさせて貰いながら思う事は、品質の決め手は①使用する原紙の優劣を基本にしながらも、②それを加工する工場の力だと思っています。そして工場の力とは会社そのものだという事です。極細紙バンドを眺めていると、紙加工会社さんで働かれている人達や景色が浮かんで来ます。

さて!この「極細紙バンド/カスリ染め」ですが、カラーは「○くるみ、○オーク、○しらかば」の3色でスタートしました。しかしこれで終わるわけはありません。色とカスリ染の組み合わせは無限です。どうぞご期待下さい。

トピックス記事「ゴクボソ カスリ染め準備中」に加えて兎屋書庫(ブログ)でもご案内です。こちらでは兎屋でアップしているインスタ画像を貼り付けての情報です。

2019年1月下旬か2月上旬に発売準備中の「極細紙バンド」は極細紙バンドの付加価値品として自然風合いの「カスリ染め」を施した極細紙バンドシリーズです。

極細紙バンドは、本来別目的で使われていた加工技術に目をつけ!強靭な高知県産の原紙を使う事で、手芸用にグレードアップしています。技術用途の主流が「カスリ染め」だった事もあり、腕の見せ所になっていて、加工屋さんも張り切っています!

長さは単色で提供していた50m巻ではなく、今回からはお求め易くするために、30m巻での販売を考えていて、別途小巻として10m巻・5m巻もご案内する積りです。どうぞお楽しみに・・・・・

※今後極細紙バンドの長さは30m巻を主流とする積りです。

兎屋では2ブランドの紙バンドを販売しています。その中でも人気の色とりどりのカラー紙バンドは2種類あって、コレクションカラー紙バンドカラー紙バンドという名前でカテゴリー別販売をしています。

その2種類のカラー紙バンドの大きな違いは、使用している原紙加工地域です。この原紙加工地域が、紙バンドの品質に大きな影響と違いを与えています。

一般的なカラー紙バンドと言う意味で販売している、兎屋の「カラー紙バンド」は、紙バンド加工工場が6社ある静岡県 注1 で作られていて、兎屋では懇意にさせて頂いている後発の加工メーカーの紙バンド製品を仕入販売しています。静岡県産の紙バンドは、注2 地域の傾向なのか、ほぼ同じような品質で流通しています。

注1 静岡県東部は紙産地という事もあり、紙バンド加工工場は静岡県に多く、富士市に集中しています。静岡県外で紙バンドを加工している所は、日本では兎屋がお世話になっている、愛媛県四国中央市の1社で、あとは静岡県の会社が経営する工場がベトナムに2ヶ所あるだけです。

注2 手芸用として一部ベトナム産紙バンドが流通していますが、使用するカラー原紙は一般的なカラー紙バンドと同じで、ほとんど愛媛県産の色原紙を使用しています。また親会社が静岡県という事もあり、品質傾向は静岡的です。

一方、コレクションカラー紙バンドの方は、兎屋のメイン商品として、2003年から企画・製造(委託)・研究・販売・挑戦を行っている、オリジナルの手芸用カラー紙バンドで、いろいろな変遷 注3 を経ながら、高知県の製紙会社さんと、唯一の愛媛県の紙バンド加工会社さんとの協力の元、高品質紙バンドの実現を果たしながら、引き続き品質の安定・向上に努めています。

注3 兎屋コレクションカラーも、高知県の製紙会社と出会うまでは、愛媛県の製紙会社A社、B社の原紙を使っていましたが、期待する品質に届かず苦労をし、愛媛県原紙の使用を断念した経緯が有ります。因みにA社は廃業してしまいました。

  コレクションカラー紙バンド カラー紙バンド
使用している原紙 高知県産原紙 愛媛県産原紙
紙バンド加工地域 愛媛県四国中央市 静岡県富士市
紙バンドの特徴① ○糸の紙密度が高い ○一般的な紙糸
紙バンドの特徴② ○紙バンドにコシがある(硬め) ○一般的?兎コレに比べ柔らか
紙バンドの特徴③ ◎紙バンドの曲りが極めて少ない ▲多少紙バンドに曲りが有る
紙バンドの特徴④ ○割き具合がスムーズ ▲割く時にひっかりがある
紙バンドの特徴⑤ ◎割き面の毛羽立ちが少ない ▲割き面に毛羽立ちがある
紙バンドの特徴⑥ ▲値段高め ○値段は市場価格で安め設定
紙バンドの特徴⑦    

【参考ページ】
コレクションカラー紙バンド説明①
コレクションカラー紙バンド説明②
コレクションカラー紙バンド説明③
コレクションカラー紙バンド説明④

紙バンド=紙製品としたら、方向性が見えて来ました。良い紙を使って、贅沢に作る、これも紙バンド手芸材料の一つの方向性かも、なんだ簡単じゃないか!(一般的な企業論理とは逆です)

まぁここから苦労の連続なんですけどね(笑)という事で、取りあえず紙を贅沢に使う事を考えました。残念ながらその頃はまだ良い紙に出会えていませんでした。

紙を贅沢に使うという事は、紙糸断面の紙密度を上げるという事で、そうすれば自然と紙糸にコシが出ます。また、紙バンドが出来るまでの各工程を観察しながら、常に舵を(贅沢♪=加工に厳しい!=経費的に厳しい!!)方向へ切ってました。すると今度は、その厳しいという選択が祟り、紙が持たなくなりはじめました。これには数年悩みました。兎屋コレクションカラーの品質停滞期です。今でも思い出す場面があります。

出張時、広島県呉市のフェリー桟橋にいる時に電話が掛かって来ました。
加工屋さん「佐野さん!赤ぶどうの加工してるんですが、紙が切れて切れて仕事になりません、どうしましょう」
私「わかりました、赤ぶどうはあきらめます、すぐに中止して他のをお願いします」(あぁ・・・・大損やぁ・・・・)

でも!加工会社さんは紙を無駄にせず、最後まで加工をして下さったのです。その四国中央市の紙加工屋さんは、紙に精通しているし、紙加工にはプライドをもっています。なので、「紙が悪くて加工出来ませんよ!」と過去何回も言われはしましたが、一度として加工をあきらめた事がありません!このような対応は紙業界では少数派です。さすがです。

※ 普通の紙加工屋だったら、加工の事は後回しにして、紙のせいにするのが一般的です。で、苦情を言われた製紙会社は「いつもと同じですよ」と言い、これも一般的です。これが紙業界の古い(今でも)体質ですね。ハァ~~~ で、何も知らないお客さん達が混乱するのです!

さて、出会った頃は「・・・・手芸用の紙バンドは製造したことが無く、手探りの状態でした。・・・」の愛媛県四国中央市の紙加工会社さんですが、探究心と高い技術力、そして社長さんから現場さんまでの一貫した意識の高さで、今の兎屋コレクションカラー紙バンドを支えて下さっています。今では私が何も言わないのに、勝手に?どんどん?チャレンジして、紙バンドの品質を上げ続けています。なので私はもう何年も工場の中に入った事が有りません。それでいいのだと思っています。

要はお客さんが「兎屋コレクションカラー紙バンド」の事をどう思うか?初心者さんやバザーなどで販売される方は、値段が高いコレクションカラーは買いませんが、紙バンド手芸の中~上級者さん達には挑戦したいコレクションカラー紙バンドです。よろしく!

 

 

兎屋を始めた頃は、静岡県産の紙バンドを仕入れて販売していました。しかし1年余りで突然供給を止められました。そこで四国の紙仲間達に声を掛け、四国で紙バンドを作っている会社が有るのかな?と調べているうちに、愛媛県四国中央市の紙加工会社さんにたどり着きました。しかし、その会社さんは、手芸用の紙バンドは製造したことが無く、手探りの状態でした。

兎屋は、紙業界で過ごした時間はまぁまぁありましたが、紙バンド製造については特に詳しいとは言えない時期で、さてどっちに行こうか?と思案していました。その頃は、あまり市場に出回っていない色の紙を、小ロットで抄いて貰う事が頭に浮かんでいただけです。でも色は製紙会社に相談すれば誰でも作る事が出来るので、色で勝負を続ける事が出来ない事はわかっていました。ならばどうするか?紙バンドってなんだろう?

!紙バンドは紙製品じゃないか!なるほどそういう事ね!この思考は兎屋がいつも念頭に置いている(紙バンド=紙製品=紙大事)という事です。これが「兎屋コレクションカラー紙バンド」の基本姿勢です。

 

兎屋で独自ルートのオリジナル紙バンドを企画・製造(委託)し始めた頃は、同じ愛媛県産の紙バンドを2つのカテゴリーに分けていました。一つはコレクションカラー、もう一つはベーシックカラーの2種類でした。

コレクションカラーとベーシックカラーの区別は、発注する原紙ロットの多少で、凝った色のコレクションカラーは販売数量が少ないので、製造ロットがかさむ為、値段設定を高くしていたのです。品質の差はなく、製造経費の差だけでした。

また、当時は原紙も愛媛県産の紙を使っていて、紙の引張強度に欠ける愛媛県産原紙では、紙バンド加工の精度を上げる事が出来ず、苦しんでいました。

しかし、2015年春から、産地の違う静岡県産の紙バンドを取り扱うようになったので、愛媛県産の紙バンドは一つにまとめてコレクションカラー紙バンドと称し、静岡県産のカラー紙バンドと区別する事にしました。

また、懸案だった原紙の強度アップは、高知県産原紙で対応する事で、愛媛県産紙バンドと静岡県産紙バンドを品質面からも説明出来るようになりました。特にこの2年程で兎屋のコレクションカラーの品質は大きくアップしています。